「カラスの御礼」

小学一年生の勇太郎は昨日からお爺ちゃんの家にお泊りで遊びに来て居ました。

お爺ちゃんは庭で盆栽に水をやって居る所へ勇太郎が玄関から出てきました。

「お爺ちゃんお早う」

「おお勇太郎お早う」

「お爺ちゃんの家の朝って気持ち好いねー」

「そうだよ庭に木がたくさん有るから木の葉が気持ち好い空気を出してくれてるからだよ」

そんな話しをして居る所へ雀のチュン吉がせきこんで松の盆栽にとまりました。

「大変だ助けて下さい」と大事に言う。

「どうしたチュン吉」お爺さんが言った

「先ほどからカラスが私の子供達をジッと見てるんだそれで子供達が怖がってる」

チュン吉には五日ほど前に五羽の雛が生まれたばかりだった。

お爺ちゃんはチュン吉の巣と庭の松の方に目を向けた、勇太郎も同じ方向を見た、松の木でカラスがチュン吉の巣を睨んでいる。

「おーいカラス、チュン吉の子供に悪さをしてはだめだぞ」と勇太郎が叫んだ。

するとカラスは睨むように勇太郎を見た、勇太郎はブルっと震えた。

「わっー怖いお爺ちゃん」と勇太郎は泣きそうになる。

「そうだジョロ助に頼んで言ってもらおう」と勇太郎は柴犬のジョロ助を呼んできた。

「おーいカラス君チュン吉が困ってるぞチュン吉の困るような事しちゃー駄目だぞ」とジョロ助が大声で言った。

カラスは今度ジョロ助をじろりと睨んだ

「お婆ちゃんにも頼もう」とお婆ちゃんを呼びに行った。

お婆ちゃんが来てカラスを見ると

「うわー怖い私は駄目だよ、チャコに頼んだら良いよチャコは木に登れるからカラスの近くまで行き追い払って貰いなよ」

「そうかチャコは木に登れるからチャコに頼もう」と猫のチャコを呼んできたがチャコもカラスを見るとブルっと震えてしまった。

「私カラス怖い、カラスとは話し出来ません」

勇太郎は困って居ると、お爺ちゃんが

「私か頼んで見よう」と梯子を松の木に掛けたときカラスが言った。

「みんな私に用が有るようだな」

と庭に有る一番大きな石の上に下りて来た。

「カラス君チュン吉が困ってるんだ、チュン吉を困らせないで呉れないか」

「俺は何も悪い事してないよ何でチュン吉が困ってるんだ」

「チュン吉の子供達に悪さをするのではと思って困ってるところなのだ」

「チュン吉の子供達を何処かへ連れて行こうと思ってるんだろう」と勇太郎

「みんな何か勘違いしてるな雀さんの子供達が元気にして居るのを見てただけなんだよ」

「うそを言っては駄目だよ、その目は隙が有れば子供達を連れて行こうと云う感じだぞ」

「どうしてそう思うのだ」

「だってカラス君の真っ黒な姿と顔や目はどう見ても悪さをするぞと云う感じだよ」

「俺は生まれた時からこう云う顔なんだ、今日ここに来たのはおじいさんにお礼とお知らせが有って来たのだ、あなた達は私を見るなり悪者扱いをするのは止めて下さいよ」

「カラス君私に用事とは何ですかね」

「お礼から言わさしてもらいます俺が町内のゴミ置き場で網の中に入り困っている時におじいさんに助けていただきました、本当に有り難うございました、お知らせは俺の子供が七羽生まれました、かわいい子です」

「おうおうそうかそれはうれしいね」

「お礼とそのお知らせに来たのです」

それを聞いてみな笑顔になりました。

「カラスさんごめんなさい私カラスさん怖かったから」とチュン吉が謝りました。

「カラスさんごめんね、お婆ちゃんやジョロ助とチャコに頼んで追い払おうとしたりして」と勇太郎が謝りました。

「カラス君は優しいんだ見た目で判断してはだめだよ勇太郎」

お爺ちゃんの言葉には何か強い優しさを感じました、カラス君はお爺ちゃんにぺこりと頭をさげてから言った。

「これから時々遊びに来ても良いですか」と勇太郎の方を見ました。

「ぼく今日帰ってしまうんだ、チュン吉、カラスさんは優しいからお爺ちゃんと一緒に子供達の話しすると楽しいよ」

お爺ちゃはチュン吉にいいました。

「カラス君はあのように真っ黒で顔や目付きは悪いが話しをして見ると心は優しいんだ」。

「今度会ったら友達だよね」とチュン吉

「今日は良かったー怖い怖いと思ってたカラス君とうれしい話しが出来たから」と勇太郎はにこにこしている。

お婆ちゃんとジョロ助それにチャコもそれぞれ顔を見合わせながらにこやかに家へと戻って行きました。

 

おわり